2015-01-01から1年間の記事一覧
自治体によって違うと思いますが、僕の勤める自治体では、「児童養護施設からの大学進学」は、認められていません。 児童養護施設にいられるのは、原則として18歳までですが、本人の福祉を著しく損なう場合は、20歳までいられることになっています。 これは…
児童相談所の仕事の中で、非常に緊張の高まる仕事の一つに、「一時保護対応」があります。 親に虐待されている子、親が育てられない子、警察に保護されたけど家に帰れない子。そういう子の身の安全を確保するため、そして生活できる環境を整えるために、一時…
非行少年への対応について、警察から面白い話を聞きました。 家にいられない、学校にも行かない、ちょっと悪さをするような非行少年への対応について、児童相談所は、まず説得を試みます。 「親と暮らせるようにして家に帰って、ちゃんと学校に通おうよ。家…
親が虐待を繰り返し、とてもじゃないけど家へ返せない子供がいます。 家にいられないと、学校から帰れなかったり、警察で保護されたりします。 そして、児童相談所に相談が持ち込まれるのです。 その時、児相としては、親との関係調整を図ってみますが、うま…
児相に関わるこの中には、子どもが「嘘をつく」ということを問題視するケースがあります。 子どもが嘘をつくので、親が困る、学校が困る、職員が困る。 では、「嘘をよくつく」という行動を、どのように周りが表現するか。 例えば、<虚言癖>と言ってしまう…
とある東北の県では、一時保護所が空になることがあるという話を聞きました。 一時保護所から、子どもがいなくなるのです。 衝撃でしたね。 僕の勤めている児童相談所では、「今日も、定員が溢れてる」という話が、日常的だからです。 ところによっては、一…
多くの親は、子育てに一所懸命です。責任感もあります。 だからこそ、うまくいかなくなった時は、子供のために、責任を持ってしつけようとして、手を上げてしまうのです。 多くの親は、自分の子供を持つまでに、赤ちゃんや幼児さんと生活をともにしたことが…
子どもを育てるって、すごく大変ですよね。 見たことも、聞いたこともないようなことばかり、毎日起きます。 それでもなんとか、インターネットを調べながら、友達や親にも聞きながら、自分なりの解決方法を探してやりくりしていると思います。 でも、時には…
児童相談所では、虐待案件の対応をします。 虐待というのは、柔らかく言うと、「不適切な養育」ということです。 でも、子育ての仕方が不適切だからと言ってすぐ責めるのは、酷なことですよね。ホントに。 だって、子どもの育て方なんて、親からも学校でも習…
最近、 「そういうことしてると、児相に連れてくよ!」 という言葉が、脅し文句として使われている場面に出会います。 悲しいことですね。 児童相談所は、子どもに関するあらゆる相談を受けてきました。 頼れる機関として、児相はありたいのです。 子どもに…
明らかに虐待である行為を、虐待であると指摘しても、なかなか認めない親もいます。 一般的には、「ここまでしといて、ひどい親だ」と見なされるでしょう。 しかし、僕が接している中では、親御さんがどこか怯えている。どこか戸惑っている。どこか悲しみを…
以前は別の部署で働いていた後輩が、児相に来てからは残業時間がものすごいことになってます。 かつては、よく職場の人と花火大会とかバーベキュ大会とかに行っていたらしいですが、今となっては声もかからなくなってしまったそうです。 いつも行けないから…
どうして、傷付けられるとわかってて、その人に寄っていくのだろう。 体も心も傷付き、親や先生とはケンカになり、児相からは注意され、施設には戻れなくなり、それでもどうしてその人に寄っていくのだろう。 不思議に思うことがあります。 ただそれは、 「…
虐待の起こる家庭では、 親が苦しみながら、子どもへの<養育>と<虐待>を、繰り返しています。 子どももまた苦しみながら、親からの<逃避>と<愛着>を、繰り返しています。 非常に苦しいですね。 そこで生じる激しい葛藤は、児童虐待という事態に対峙…
児童虐待の現場によく登場するのは、 「体罰」 という言葉です。 「体への罰」。 「罰」ということは、すでに「この子は悪いことをしたのだ」という前提が含まれています。 さらに、罰する側には、すでに「正しい私が制裁する」という前提が含まれています。…
児相としては、子どもは家から離れて、施設に入所とか、里親さんに預かってもらったりとかしたほうがいいと、判断することがあります。 でも親は、それに反して、自分で育てるとおっしゃることがあります。 そのような時は、どちらが適切なのか、第三者とし…
とある弁護士さんによると、児童虐待に関する法律は、以下のようなものになります。 ●児童福祉法 ●児童虐待の防止等に関する法律 ●民法 ●家事事件手続法 ●刑法 ●刑事訴訟法 最初の2つは、言わずもがなの法律です。 民法は、身分関係、特に夫婦・親子という関…
児童虐待は、減少する気配がなく、注目がされてきています。 一方で、少年非行についても、注目すべきですね。 川崎市の少年事件があったので、「困った少年たち」という注目のされ方はしているかもしれませんが、そういう視点ではないのです。 児童相談所が…