緊張の高まる「一時保護」という対応
児童相談所の仕事の中で、非常に緊張の高まる仕事の一つに、「一時保護対応」があります。
親に虐待されている子、親が育てられない子、警察に保護されたけど家に帰れない子。そういう子の身の安全を確保するため、そして生活できる環境を整えるために、一時保護所へ一時保護します。
そのような一時保護は、突発的です。
他の様々な予定をすっとばして…いくわけにもいかないので、「すみません、緊急の用件が入りまして」と方々に調整をして、一時保護にあたります。
すんなりと保護に至るケースは稀です。
親の拒否、本人の拒否、一時保護所に空きがない、どこの保護所ならいいのか。
感染症や妊娠がないか健診をしてこい。
食物アレルギーはどうだ。
法的根拠は大丈夫か。
保護することでかえって状況を悪化させないか。
本当に虐待なのか。
瞬時に、様々な情報収集と判断と連絡調整をしていかなければなりません。
このような事態は容易な事態ではなく、保護をするにしても、しないにしても、子どもの生活、人生を大きく左右する可能性があります。重要な決定です。
児童福祉司、児童精神科医、児童相談所長、保健師、その場にいるいろんな職種がさっと集まり、限られた時間で検討し、決めていきます。
仮に一時保護所に来たとしても、親が怒鳴り込んできたり、子ども本人が嫌がって暴れたり、まだまだ安心できません。
保護が終わるまで、ずっと緊張しっぱなしです。