児童相談所のおと

児童相談所で勤務しています。児童相談所から聴こえる音。児童相談所で綴られるノート。そういったものを書いていきたいと思います。

家にはいられないけど、児童相談所の一時保護所にも入りたくない子どもたち

親が虐待を繰り返し、とてもじゃないけど家へ返せない子供がいます。

 

家にいられないと、学校から帰れなかったり、警察で保護されたりします。

そして、児童相談所に相談が持ち込まれるのです。

 

 

その時、児相としては、親との関係調整を図ってみますが、うまくいくとは限りません。

家に帰れない子に対しては、「一時保護所」に入所してもらうという選択肢が、児相の権限でできる唯一の方法です。

 

 

でも、一時保護所は、とても生活に適した場所とは言えません。

狭いし、制限が多いし、落ち着いてる子は珍しいくらいです。

 

だから、「家には居たくない。でも、一時保護所にも入りたくない。」という子がいて当然なのです。

気持ちは分かります。

 

 

じゃあ、児相として、何ができるのか。

 

・・・。

 

親族、学校、警察、あらゆる関係機関に、何かできないかかけあってみます。

それでも夜間だと、厳しいですね。

 

もう、子供が行きたい場所に、行ってもらうしかないこともありますね。

 

「どういう状態であっても、児相が保護してくれる」とたまに期待されるのですが、

一時保護所に入所したくない子を、無理やり手を引き、足を持ち上げ、引きずり、拘束して、入所させることはできません。

そういう方法を取れないばかりか、仮にそういう方法で入所させられた子は一時保護所で当然暴れ、他の子にとっての脅威ともなります。

関係性が崩壊し、児相が信じられなくなり、もう話すことさえ拒否することでしょう。

 

 

だから、「家には居られないけど、一時保護所に入るのも嫌な子」には、どうしたらいいのか非常に頭を悩ますのです。